アカデミックプラザ

研究概要

マイクロ波減圧乾燥を用いた高品質乾燥果実の製造

研究機関名

農研機構 食品研究部門(旧食品総合研究所) 食品加工流通研究領域 食品製造工学ユニット

代表者

萩原昌司

本研究の主旨

青果物流通加工の6次産業化を推進する上で、通常廃棄される余剰農産物や規格外品を加工し効率的に利用することは有効な手段となる。特に果実類においては、若い世代を中心に消費量が減少しており、新たな加工技術の開発は、新規需要の開拓および果実類の消費拡大のためにも重要である。
本研究では、果実加工へのマイクロ波減圧乾燥(MV乾燥)の適用性に関する知見を得ることを目的とし、リンゴのマイクロ波減圧乾燥における乾燥特性、内部構造変化を調査し、従来法である熱風乾燥法との比較を行った。その結果、MV乾燥では乾燥時間が短縮され(Fig.1)、乾燥速度定数は熱風乾燥の1.6~2.4倍程度であった。また、乾燥試料の内部構造観察の結果、MV乾燥試料では、熱風乾燥試料と比較して細かな空隙が多くみられ、多孔質な構造を有していることが確認された(Fig.2)。これはマイクロ波照射下において、試料に含まれる水分が急激に蒸発、膨張することにより試料内部に多数の気泡が発生したことに起因する。得られた乾燥試料の形状を比較すると、熱風乾燥では試料収縮が著しく、扁平な形状をしているが、MV乾燥では収縮が抑制され、生試料に近い形状を維持していることが分かる(Fig.3)。これらの結果より、果実の乾燥にMV乾燥乾燥を適用することで、乾燥時間の短縮が可能であり、得られる乾燥品は従来の熱風乾燥試料と差別化できる可能性が示された。

All Right Reserved. Copyright (c) Secretariat of FOOMA JAPAN