アカデミックプラザ

研究概要

レトルト食品に緑を添えませんか? ― 新しい食品素材・紅藻ダルスの食品科学的特性 ―

研究機関名

北海道立工業技術センター 研究開発部 食産業技術支援グループ

代表者

木下康宣

本研究の主旨

 日本近海に自生する低利用海藻の一つにダルス属(Palmaria)がある。ダルス属は寒海性の海藻で、日本国内では北海道および本州北部太平洋岸に分布する他、世界では北米の大西洋岸やヨーロッパ北部に広く分布するとされている。カナダでは、天日干ししたものをそのまま食べたり、粉末状にして調味料などに利用していることや、アイルランドでは、サラダとして生で食べたり、スープに入れて利用していることが知られている他、日本でも地域により「あかはた」あるいは「あかはだ」と称して食されていると言われている。この海藻は、マコンブの養殖ロープに自然繁茂することが知られているが、これまで産業利用は行われておらず収穫対象ともなっていない。しかしながら、その資源量は、マコンブの養殖が盛んな函館地域だけで年間約100トンと推計されており、利用用途が開発されれば新たな産業種としての活用が大いに期待される。
本研究では、ダルス属の産業利用用途を開発する目的で、食品科学的特性を把握するための諸検討を行った。その結果、ダルス属は、一定条件で加熱処理することによって鮮やかな緑色化が起こると同時に、生鮮利用されるコンブやワカメなどの海藻と異なり沸騰海水中で4時間以上ボイル加熱を続けても緑色が失われないことが明らかとなった。この知見をもとに、レトルト耐性を検討したところ、F値9まで加熱処理を行っても緑色度の顕著な低下が認められないことが確認された。
今日、様々なレトルト食品が上市されている。しかしながら、この加熱条件のもとで緑色を保持できる食品素材は乏しい。ダルス属はレトルト食品に鮮やかな緑色を添えることができる、新しい食品素材として注目される。

Fig.1

Fig.1

HOMEプライバシーポリシーこのサイトについてサイトマップ日本食品機械工業会

ページ上部へ