アカデミックプラザ

研究概要

食品におけるガラス転移温度の決定と品質設計への利用

研究機関名

広島大学・大学院生物圏科学研究科・食品工学研究室

代表者

川井 清司、羽倉 義雄

本研究の主旨

一般に固体食品の大部分は非晶質層が占めており、ガラス転移温度(Tg)を境にガラス-ラバー転移(ガラス転移)が起こる(Fig. 1)。食品のTgが環境温度よりも低いときはラバー状態にあり、粘弾性的性質を示す。一方、食品のTgが環境温度よりも高いときはガラス状態にあり、弾性的性質を示す。また、ガラス状態では分子運動性が見かけ上凍結しており、各種劣化速度が停滞することから、高い保存性が期待される。食品のTgは水分含量の増加によって低下するため、一定温度条件でもガラス転移が起こり得る。ガラス転移に伴う力学的性質の変化が食品の加工性、保存性、食感などに多大な影響を及ぼすことから、Tgを考慮した様々な技術戦略が提案されている。
ガラス転移に基づく技術戦略を展開するには食品のTgを理解する必要がある。一般に、非晶質材料のTgは示差走査熱量計(DSC)によって調べられるが、食品の様な多成分系では、複数の熱応答が連続的に捉えられた結果、Tgが不明瞭になることが多い。そこで演者らはレオメーターに温度制御装置を取り付けることで、試料に一定応力を与えた状態で等速昇温可能な測定システム(昇温レオロジー測定)を構築した(Fig. 2)。測定原理は熱機械測定と殆ど同じであるが、検出感度が高い、様々な試料形状に対応可能、安価といった利点があり、DSCでは解釈が困難な食品のガラス転移を明確に捉えることができる。本発表ではクッキーなど実在する食品を題材として、それらのTg解明と品質制御への利用について発表する。

Fig. 1

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Fig. 2

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