アカデミックプラザ

研究概要

アクアガス造粒法による効率的で高品質な粉末食品製造

研究機関名

独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 食品工学研究領域 製造工学ユニット

代表者

五月女 格

本研究の主旨

インスタントスープや飲料等の粉末食品は微粉末の状態では流動層が悪く凝集性が強いため、湯や水に溶解する際に溶けずに残るランピング(ダマ、ママコ)を発生しやすいという問題があります。この問題は一般的に、粉末の粒子を決着させて径の大きい顆粒に造粒することにより解決することから、多くの粉末食品に対して造粒が行われています。造粒には様々な方法が存在しますが、広く使われている方法の一つに流動層造粒が挙げられます。流動層造粒では気流により浮遊している粉末に水や多糖類水溶液等のバインダを噴霧し、粒子同士を結着させ顆粒を生成します。少ないバインダ添加量で造粒が行えれば、造粒後の顆粒の乾燥に要するコスト削減や顆粒の品質向上が期待されます。
 この研究では流動層造粒のバインダとして、微細水滴を含んだ過熱水蒸気であるアクアガス(図1)の利用を試みました。水蒸気のみを流動層造粒におけるバインダとして粉末に噴霧すると、速やかに顆粒が生成するものの、顆粒径のばらつきが大きく粗大粒が発生し、顆粒径の制御が難しいという性質が見られました。一方、アクアガスをバインダとして使用すると、顆粒径のばらつきが抑えられ、なおかつ少ない水分添加量で速やかに顆粒が成長することが確認されました。水蒸気は粉末に凝縮することにより粒子表面を濡らし効率的に顆粒を進行させるものの、既に形成された顆粒をさらに大きくする傾向が見られましたが、アクアガスでは微細水滴により顆粒の成長核が連続的に生成され、さらに水蒸気が核を成長させることにより効率的かつ均一に顆粒が形成されたと考えられます(図2)。トウモロコシ澱粉とデキストリンの混合粉末をアクアガスバインダで流動層造粒したところ、多糖類水溶液を使用した場合と比較して40~85%の水分添加量で、同等径の顆粒が生成されました(図3)。アクアガスバインダにより造粒および顆粒の乾燥時間の短縮が可能となり(図4)、それによる造粒コストの削減と顆粒製品の高品質化が期待されます。

図1 アクアガスの概念図

図1 アクアガスの概念図

図2 水蒸気と微細水滴による顆粒成長メカニズム

図2 水蒸気と微細水滴による顆粒成長メカニズム

図3 バインダ添加量に対する顆粒成長

図3 バインダ添加量に対する顆粒成長

図4 造粒および乾燥時間短縮のイメージ

図4 造粒および乾燥時間短縮のイメージ

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