アカデミックプラザ

研究概要

食感性工学による乳製品のおいしさ評価システムの開発

研究機関名

東京大学大学院 農学生命科学研究科 農学国際専攻 国際情報農学研究室

代表者

荒木 徹也

本研究の主旨

1.本研究の主旨
ナチュラルチーズは、その種類、および生産地域によっても様々に異なったテクスチャーや味・風味を有した複雑系の食品であり、画一的な枠組みに則って品質評価や設計を行うことが難しい食品である。本研究では、チェダーチーズを題材として、食感性モデル(図1,Ikeda et al. 2004(1))に基づき、機器計測パラメータと官能評価スコアとの関連性を分析して、計測パラメータから官能評価特性および美味しさを予測するPLSRモデルを構築した。さらには、機器計測パラメータと官能評価スコアをデータセットとして、PLSR-VIPを用いて品質向上に寄与する主要なパラメータを特定し、さらにそれらの寄与度の順位を明らかにする方法を示した(図2)。
(1) IKEDA, G., NAGAI, H. <&> SAGARA, Y., 2004. Development of Food Kansei Model and Its Application for Designing Tastes and Flavors of Green Tea Beverage. Food Science and Technology Research, 10(4), pp.396–404.
2.本研究の特徴
 消費者起点の食品品質評価および設計の手法である食感性工学に基づいた研究である。食感性工学とは、食品の化学成分に起因するヒトの「知覚の経路」と視覚情報などに影響される「認知の経路」の融合解析に基づいており、ヒトの五感コミュニケーションによる食行動の喚起に着目した手法である。食感性工学の適用によって、消費者の感受する「おいしさ」の最大化を図る食品の品質評価・設計システムを構築することが可能となる。
3.期待される成果
 本研究において開発したおいしさ評価システム(図3)は、チーズに限らず他のさまざまな食品にも応用可能な方法論である。また、対象食品の品質特性を把握するために行う機器計測および官能評価のいずれの計測も、食品研究開発の現場にある既存の方法であるため、導入が容易なシステムであるといえる。本システムを導入することによって、チーズ以外の食品においても消費者のおいしさ評価を最大化できるような食品の研究開発が円滑に進められるようになると考えている。

図1 食感性モデル

図1 食感性モデル

図2 消費者のおいしさに寄与する主要な香気成分

図2 消費者のおいしさに寄与する主要な香気成分

図3 チェダーチーズのおいしさ評価システム

図3 チェダーチーズのおいしさ評価システム

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