アカデミックプラザ

研究概要

超音波の伝搬特性の変化を利用するヨーグルトの粘度モニタリング

研究機関名

筑波大学 システム情報系 知能機能工学域 音響システム研究室 バイオ・環境計測グループ

代表者

水谷 孝一

本研究の主旨

 本研究では,ヨーグルトの醗酵過程における粘土とヨーグルト中を伝搬させる超音波伝搬特性の関係を用いて、非破壊な醗酵モニタリング手法の確立を目的しています。測定を行った結果、超音波の減衰係数の変化量に基づき,ヨーグルトの粘度を推定できる見込みを得ました。
 提案する手法は,容器の外側からヨーグルトに対して超音波を入射し,透過した超音波を再び容器の外側においてその振幅や伝搬時間を測定することによりヨーグルトの物性を推定する手法です.基礎的な実験として図1 に示すように,40℃一定の状態で保温された水中に実験試料の入った容器を設置し,この容器を挟むように超音波トランスデューサを対向させて設置します.実験試料は市販の成分無調生乳および粉末状の乳酸菌を混合したものです.試料を透過させる超音波は周波数が2.0 MHz のバースト波を使用し,透過した超音波の振幅の経時変化を観測し、醗酵開始時点からの超音波の減衰係数の変化量として算出します.同時に粘度計を用いて粘度の経時変化を測定し,粘度と減衰係数の変化量を比較しました.
 図2 (a), (b) は3 回行った実験における減衰係数の変化量および粘度の経時変化の測定結果です.保温開始から6 時間程度の間において,減衰係数の一時的な増加が見られますが,この時間帯は粘度を帯び始める前の段階ですので,減衰係数の増加は粘度によるものではないと考えています.この段階における減衰係数の増加要因は,乳酸菌が粉末状であることから一様に溶け込んでおらず超音波の散乱が生じたためと考えています.また,減衰係数が一時的に増加した後,保温開始から10 時間以降において減衰係数は減少傾向にあり,この段階は粘度が増加する段階と一致しています.このことから10 時間以降における減衰係数の増加は試料が凝固し,粘度が増加したことによるものと考えています.
図3 に粘度と減衰係数の関係を示します.粘度の増加に伴い減衰係数も増加しており,3 回の実験で同様の傾向となりました.以上ことから,ヨーグルト試料の凝固による減衰係数の増加は、試料自体の粘度の増加と対応しており,減衰係数の変化をモニタリングすればヨーグルトの粘度を非破壊的に推定できる見込みを得ることができました.

図1 実験装置の概要

図1 実験装置の概要

図2 ヨーグルトの醗酵過程における超音波の減衰係数の変化量および粘度の経時変化

図2 ヨーグルトの醗酵過程における超音波の減衰係数の変化量
および粘度の経時変化

図3 粘度と減衰係数の変化量の関係

図3 粘度と減衰係数の変化量の関係

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