アカデミックプラザ

研究概要

食パンを圧す際の指先感覚や噛んだ時の口腔感覚を機器測定で推定することは容易であるか?

研究機関名

県立広島大学・生命環境学部・生命科学科・食品化学

代表者

佐藤之紀

本研究の主旨

 American Association of Cereal Chemists (AACC) 法を改良した方法で食パンのかたさを調べ,口で噛んだ場合のかたさや指先でパンを圧した場合に指に受けるかたさの強さの関係を調べた。AACC法では,円柱状のセンサーを用いているが,そのセンサーの直径は21mmまたは36mmとされている。そこで,切りのよい直径である20mmと設定した場合(AACC変法)に不都合が生じるか否かを調べた。
 調製直後の食パンクラムのAACC変法によるFT –L曲線をAACC法に定められている直径のプランジャーを用いた場合のFT –L曲線と比較した。どの場合でも,FT –L曲線はシグモイド曲線を示し,プランジャーの直径を21mmから20mmへ変化させても,FT –L曲線の形状はほとんど変わらなかった。また,直径36mmプランジャーを用いた場合のFT –L曲線の形状もシグモイド曲線を示した。このFT –L曲線の形状は,プランジャーの直径20mmのFT –L曲線の形状とよく一致していた。
 食パンの保存日数と指先感覚の関係を調べたところ,R2 = 0.958で2次式に近似できた。そこで,食パンの口腔感覚と指先感覚の関係を調べたところ,両者は極めてよく一致し,直線に近似可能であった。このことは,食パンの口腔感覚を指先感覚で代用可能なことを示している。口腔感覚の官能評価には指先感覚の評価の場合よりも多量の食パンクラム試料が必要であるため,指先感覚で代用できれば,統計上のnの数を能率よく設定できることにつながると考えられる。
 さらに,AACC変法で求めた食パンクラムの力学物性パラメータCFV20と口腔感覚との関係は,R2 = 0.994で直線に表すことが可能であった。このことは,CFV20を用いた機器測定値は口腔感覚を極めてよく反映していることを意味している。さらに,口腔感覚は指先感覚で代用可能であるとの先の知見から,CFV20と指先感覚の併用でより確実で簡易な食パンの力学物性の推定が可能となるものと思われる。

図.食パンのCFV20と口腔感覚の関係

図.食パンのCFV20と口腔感覚の関係

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