アカデミックプラザ

研究概要

DNA微粒子複合体の誘電泳動を用いた高速DNA検査法

研究機関名

九州大学 システム情報科学研究院 電気システム工学部門 末廣研究室

代表者

末廣純也 (連絡担当者:中野道彦)

本研究の主旨

 細菌やウイルスの混入に起因する食中毒は,常に大きな問題であり早期発見,診断が重要である.その診断法には,高感度法としてはPCR等による核酸増幅法がある.PCRによる遺伝子診断は,食品の産地偽装検査等に使用されることもある.本研究は,核酸増幅法にて増幅したDNAを高速に検出する手法の開発が目的である.
 PCRは正確かつ高感度であるが,増幅後のDNAを検出するために通常2〜3時間程度の作業が必要である.DNA検出工程を無くすために,反応と同時に増幅DNAを確認できるリアルタイムPCR法があるが,この装置は非常に高額である.
 本研究の目的は,PCR後のDNA検出を簡単な操作で短時間に行うことである(図1).
 本法は,PCR後のDNAを微粒子に結合し,対象DNAが結合したとき微粒子のみを誘電泳動によって微細電極に捕集する(図2).そして,微粒子の捕集を電極間のインピーダンス変化として計測する.誘電泳動は,不平等電界中の微粒子に働く力で,その誘電泳動による対象の微細電極への捕集とそれに伴うインピーダンス変化を計測する手法は,誘電泳動インピーダンス計測法(DEPIM)として,既に細菌検査法として確立している.
 我々は,DNA結合前には誘電泳動捕集されない微粒子が、DNAが結合することによって捕集されるようになることを見いだした.
 図3はDNA結合有無による誘電泳動の違いを示している.図4はDNA結合微粒子を誘電泳動したときのインピーダンスの変化を示している.ここでは,ノロウイルス由来RNAから逆転写PCRによって増幅したDNAを結合させた.DNAと微粒子の結合は15分程度で,その誘電泳動による検出は数十秒程度である.
 本法は,PCR後の溶液と微粒子を混合し,それを電極上に滴下してインピーダンスを計測するという非常に簡便な操作で行うことができる.

図1.本研究の目的

図1.本研究の目的

図2.DNA微粒子複合体の誘電泳動を利用したDNA検出法

図2.DNA微粒子複合体の誘電泳動を利用したDNA検出法

図3.DNA結合有無による微粒子の誘電泳動の変化

図3.DNA結合有無による微粒子の誘電泳動の変化

図4.DNA検出例(対象:ノロウイルス由来RNA)

図4.DNA検出例(対象:ノロウイルス由来RNA)

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