アカデミックプラザ

研究概要

乳化魚油噴霧乾燥粉末の特質

研究機関名

香川大学農学部応用生物科学科食品工学研究室

代表者

教授 吉井英文

本研究の主旨

 近年,生物から分離・精製された生理活性物質(生理活性脂質,生理活性蛋白質,抗菌香気物質)を機能性食品素材として用いる研究が多く行われているが,熱,光,酸素などに対して不安定なものが多い.これらを消費者が使いやすく,かつ安定して使用できる形態としたものが粉末化である。機能性食品開発として、噴霧乾燥法による高度不飽和脂肪酸を多く含油する魚油の粉末化研究が盛んに行われている。作製した粉末の評価においては、粉末中の含油量および表面油量のほか、粉末の酸化安定性が重要となる。一般に、含油量が増加すると表面油量も増大し、酸化安定性が低下することが問題となる。そのため、粉末特性に及ぼす賦形剤および被覆剤の影響や、乾燥条件の最適化など、数多くの研究が行われている。本研究では、噴霧乾燥粉末の表面油率に及ぼす再構成油滴径および粉末径の影響について検討した。
乳化剤(カゼインNa(SC))と賦形剤(マルトデキストリン(MD))の混合水溶液(SCの乾燥固形分濃度3~9 wt%, MDの乾燥固形分濃度31~67 wt%)に、21 %のエイコサペンタエン酸および25 %のドコサヘキサエン酸を含有する魚油(乾燥固形分濃度30~60 wt%)を加え、溶液の固形分濃度を30~60 wt%に調整して、ホモジナイザー(PORYTRON® PT-6100, KINEMATICA AG)で攪拌し、マイクロエマルション溶液を作製した。この乳化液をナノエマルション化する場合は、更に、高圧乳化機により20 MPa(LAB2000, エスエムテー)で4 min、または100 MPa(スターバーストミニ HJP-25001, スギノマシン)で2回の処理を行った。次いで、試料溶液を噴霧乾燥機(L-8型, 大川原化工機)により乾燥し、各種乳化魚油噴霧乾燥粉末を作製した。
de/dpの比が10-2以下の領域においては、表面油率が概ね0.05 以下と低かったのに対して、de/dpの比が10-2以上の領域では、de/dpの増加に伴って表面油率が急激に増大した。表面油率とde/dpの関係について解析したところ、包括油率, y [-]の対数値, ln(y)とde/dpには直線関係が得られ、ln(1-s)=-4.90 de/dpの式で実験値を良好に相関できた。
 乳化魚油粉末の表面油率は、粉末の再構成油滴径 / 粒子径の比率に強く依存することが明らかとなった。de/dpの比を10-2以下にすることで、魚油を高含有し、且つ、酸化安定性に優れた乳化魚油粉末を作製できる可能性が示唆された。

噴霧乾燥魚油粉末の表面構造と内部構造

噴霧乾燥魚油粉末の表面構造と内部構造

噴霧乾燥粉末の表面油率

噴霧乾燥粉末の表面油率

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