アカデミックプラザ

研究概要

食品殺菌へのサーモラジエーション利用の可能性を探る!

研究機関名

大阪府立大学 大学院 工学研究科 量子放射線系専攻 量子線化学生物学研究室

代表者

古田雅一

本研究の主旨

 食品の殺菌には、加熱処理が汎用されるが、品質低下や二次汚染の問題がある。また、生ものにはもちろん加熱を適用しないが、そのためにO157による感染、食中毒の発生事件が多発しており、その対策が求められている。一方、ガンマ線や電子線などの放射線殺菌は海外では実用化されているものの、わが国では医療器具などには適用されているが食品への利用は認められておらず、行政的にも産業的にも行き詰った状況にある。しかし、これまでに加熱と放射線を併用することによって相乗的な殺菌効果が得られることが知られていることから、改めてこれに注目し、従来の加熱・放射線夫々単独処理によって得られている知見をもとに、法的に放射線とみなされない低線量での照射と加熱との同時併用処理による殺菌効果とその発現メカニズムを明らかにし、近い将来における活用への途を開くことを目的として行う。本研究では、食品滅菌の対象となる細菌胞子を用い、それぞれの単独処理による殺滅機構を検討することとし、とくにその一環として加熱と放射線処理による胞子の発芽システムの損傷に着目し、比較的軽微な処理でその機能を破壊することを目指す。これまでの基礎的研究によって、その構造の中心にあるコアの脱水によって高い耐性を保持している細菌芽胞は加熱処理で水がコア内に浸入し、内部のタンパク質の変性が起こりやすくなることを認めているが、同時に発芽レセプターの機能変化によって発芽特性も変化することを見出している。放射線の場合はその直接・間接作用による染色体DNAの損傷が致死要因と想定され、損傷の程度とともにその修復能力が殺菌効果を左右するとみられる。これらの併用処理によってそれぞれ異なる部位の損傷が相乗効果の要因となることが予想され、その効果発現の条件の検討によってサーモラジエーションの実用化への可能性を探る。

図1 サーモラジエーション効果の模式図

図1 サーモラジエーション効果の模式図

図2 細菌芽胞の構造とサーモラジエーションの作用

図2 細菌芽胞の構造とサーモラジエーションの作用

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