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研究概要

高品質濃縮法の適用による食品新素材開発

研究機関名

石川県立大学・生物資源環境学部・食品科学科・生体分子機能学研究室

http://www.ishikawa-pu.ac.jp/guidance/teacher/food/f_miyawaki.html

代表者

宮脇 長人

本研究の主旨

  従来実用化されている凍結濃縮法は懸濁結晶法で、母液中に分散した多数の氷結晶の結晶成長により凍結濃縮が進行する。懸濁結晶法は、微細氷結晶生成のための熱交換器、氷結晶を大きく成長させるための再結晶槽、および氷結晶を母液と分離する洗浄装置よりなる複雑なシステム構成と精密な温度制御を必要とし、高コストで、また、大規模連続操作であるため、少量の試験生産には不向きで、適用できる溶液物性にも大きな制限があり、懸濁結晶法の適用は極めて限られている。
  これに対して、われわれは、新しい凍結濃縮法である界面前進凍結濃縮法を提案している。界面前進凍結法とは容器冷却面に生成した氷相層を一次元的に伝熱方向と逆方向に成長させることで、固液相界面において溶質は固相側から液相側に排除される。従来法である懸濁結晶法と比較して、界面前進凍結濃縮法はシステム単純化に伴う多くの優れた特長を有しているが、そのうちでも大きな特長は、小規模試験生産が可能なことであり、従来は凍結濃縮法の適用不可であった多くの食品資材に適用できるため、これまでに存在しなかった食品新素材開発が可能となる。
  界面前進凍結濃縮法においては、試料濃度が高くなり液浸透圧が高くなると、氷相への溶質取込率が高くなり収率が低下することが欠点であった。しかしながら、氷結晶部分融解法の適用により、この欠点が克服できることが明らかになってきた。本研究発表においては界面前進凍結濃縮法の適用による食品新素材開発の可能性について、われわれのこれまでの研究成果を報告する。

液状食品の濃縮法

Table.1 液状食品の濃縮法

凍結濃縮法における従来法(A)と界面前進凍結濃縮法(B)の比較

Fig.1 凍結濃縮法における従来法(A) と界面前進凍結濃縮法(B)の比較

界面前進凍結濃縮装置(A,小型縦型実験装置; B,循環流壁面冷却型スケールアップ装置)

Fig.2 界面前進凍結濃縮装置(A,小型縦型実験装置; B,循環流壁面冷却型スケールアップ装置)

ラ・フランス凝縮液モデル溶液への界面前進凍結濃縮法の適用

Fig.3 ラ・フランス凝縮液モデル溶液への界面前進凍結濃縮法の適用