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研究概要

水産糖脂質の抽出・精製とその特性を活かした多機能食品素材の開発

研究機関名

(地独)北海道立総合研究機構食品加工研究センター 食品開発部食品開発グループ

http://www.food.hro.or.jp/

代表者

佐々木 茂文

本研究の主旨

  セレブロシド(グルコシルセラミド)は抗腫瘍作用や皮膚機能改善効果を有する機能成分として注目され、主に小麦、コメ、トウモロコシ、コンニャク、キノコから抽出・精製したものが健康食品や美容素材として供給されている。水産物にもセレブロシドの存在が知られているが、今のところほとんど利用されていない。水産物の脂質は陸上動植物とは異なる特性を持っていることから、優れた機能性(抗腫瘍活性、抗炎症作用、保湿効果、脳・神経機能賦活)が期待される反面、酸化的な安定性が低いなどの問題もある。
  本研究では糖脂質、特に機能性を有するセレブロシド(グルコシルセラミド)の未利用水産物からの効率的な抽出・濃縮法の検討と水産物由来糖脂質の食品素材への用途開発を目的に検討を行った。
  ヒトデおよびナマコ内臓からエタノール抽出、アルカリ加水分解、溶媒分画(Fig.1)を行うことによってセレブロシドを50%以上含有する濃縮物が得られることが明らかになった。また、ヒトデおよびナマコ内臓のセレブロシドは陸上動植物由来のものとは構成脂肪酸、スフィンゴイド塩基が大きく異なること、腫瘍細胞やマウスにおいて抗腫瘍活性(Fig.2)が認められることが明らかになった。さらにこれらのセレブロシドの乳化物(Fig.3)は乳化および酸化安定性が比較的高いことが示された(Fig.4)。
  これらの結果から、ヒトデやナマコ内蔵などの未利用水産物は機能性を持ったセレブロシドの抽出源として有望であり、得られるセレブロシド濃縮物は健康食品や美容素材としての利用が期待できると考えられた。

ヒトデ、ナマコ内臓からのセレブロシド抽出精製方法

Fig.1 ヒトデ、ナマコ内臓からのセレブロシド抽出精製方法


S180細胞に対するヒトデ(AAC)およびナマコセレブロシド(AMC)の細胞増殖抑制効果

Fig.2 S180細胞に対するヒトデ(AAC)およびナマコセレブロシド(AMC)の細胞増殖抑制効果


ヒトデセレブロシド乳化物(1wt%)の粒度分布

Fig.3 ヒトデセレブロシド乳化物(1wt%)の粒度分布


ヒトデセレブロシド乳化物(1wt%)の透過度およびTBAの変化

Fig.4 ヒトデセレブロシド乳化物(1wt%)の透過度およびTBAの変化