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研究概要

過熱水蒸気技術の製菓製パンへの応用
~過熱水蒸気で食パンを焼いてみた~

研究機関名

地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 食品加工研究センター 応用技術グループ プロセス開発

http://www.food.hro.or.jp/

代表者

阿部 茂

本研究の主旨

【目的】
製菓製パンにおける焼成工程ではオーブンを用いた空気雰囲気下の乾熱加熱が一般的である。一方、過熱水蒸気による加熱は原則的に極低酸素雰囲気下で行われ、加えて加熱初期の湿熱加熱、次いで食品表面乾燥後の乾き蒸気による対流加熱により、従来のオーブンと比較して短時間に大きな熱量を与えられることが大きな特徴である。本研究では食パンの焼成工程に過熱水蒸気を用いた場合の得られる特徴や効果について検討を行った。
【方法】
一般的な食パンの原料配合を用い、ストレート法にて生地の調整を行った。焼成における過熱水蒸気温度は120~240℃とし、40分間処理を行った場合の食パン中心部の温度変化、及び食パン表面の色調(a:赤色)変化を測定した。また,120~240℃で過熱水蒸気処理を行い、食パン中心部が90℃に達した時点の焼減率、および所定の条件で柱状に切り出した食パンのクリープ試験、テクスチャー解析を行った。全試験区において対照として電熱オーブンを用い、210℃の条件で40分間の焼成を行った。
【結果】
過熱水蒸気は電熱オーブンと比較して加熱効率が良く、食パン中心部の90℃達温時間は過熱水蒸気(180℃以上)では電熱オーブンと比較してほぼ半分の加熱時間となった。色調変化では高温の過熱水蒸気ほど食パン表面のaの上昇が顕著であった。クリープ試験およびテクスチャー解析では、過熱水蒸気で焼成した食パンは電熱オーブンで焼成した食パンと比較して最大荷重及び弾性率が低く、柔らかくしっとりした食感である傾向が示された。

各加熱条件による食パン内部の温度変化

Fig.1 各加熱条件による食パン内部の温度変化

各加熱条件によるa*の変化

Fig.2 各加熱条件によるaの変化