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研究概要

食品製造における膜分離技術の応用

研究機関名

(独)農研機構 食品総合研究所 食品工学研究領域 反応分離工学ユニット

http://nfri.naro.affrc.go.jp/guidance/ryouiki/kougaku/index.html

代表者

萩原 昌司

本研究の主旨

  近年、食品の機能性に対して消費者の関心は非常に高まっており、食品成分の機能性を実際に活用していくには、着目成分の機能性を高く維持したまま分離・精製することが必要となる。加熱を伴わない分離・精製技術である膜分離技術は、食品の品質を高く維持したまま低コストで省エネルギー的に分離・精製することが可能である。また、食品素材そのものからの着目成分の分離・精製だけでなく、副産物から着目成分を分離・濃縮可能な膜分離技術は、素材の有効利用の観点からも優れた特徴を有している。さらに、非加熱という特徴を活かして、食品の品質を高く維持したまま菌体などの危害要因を除去できる膜分離技術は食品製造の多種多様な用途に利用可能な加工技術の一つである(Fig.1)。
  膜分離技術のうち精密ろ過(MF)法、限外ろ過(UF)法、および逆浸透(RO)法に関して、その原理を概説するとともに、食品製造に応用した際の特徴や応用例を説明する。次に、UF法とRO法の中間的な性質を有するナノろ過(NF)法の応用例として、クランベリー果汁からの安息香酸の分離について研究事例を紹介する。
  安息香酸の分離に適したNF膜を選択することで、安息香酸のみを透過し、他の有機酸や糖類等を阻止する膜分離条件を見いだした。さらに、供給液のphを調製することで安息香酸の透過性を高めることを明らかにした(負の阻止率となる)。

膜ろ過の種類と分離対象の一例

Fig.1 膜ろ過の種類と分離対象の一例


クランベリー果汁のpH調整が分離特性(成分の阻止率)に及ぼす影響

Fig.2 クランベリー果汁のpH調整が分離特性(成分の阻止率)に及ぼす影響