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研究概要

安心安全な食品の品質制御・衛生管理技術の構築に向けて

研究機関名

東京農業大学・生物産業学部・食品香粧学科・品質制御学研究室

http://www.bioindustry.nodai.ac.jp/~fcs/

代表者

村松 良樹

本研究の主旨

テーマⅠ  食品の熱移動現象に関する研究
  食品の加工流通プロセスには,加熱や冷却を伴う種々の熱的単位操作が含まれる。そのため,食品の加熱・冷凍過程における熱や物質の移動現象の解析および熱・物質移動に伴う食品の諸特性(形状,色彩,テクスチャーなど)の変化に関する研究,すなわち食品の加熱・冷凍シミュレーションは,加工装置の設計や合理的且つ安全な操作条件の選定の際に有効になる。さらに,このシミュレーションを行うためには食品の熱物性値に関するデータが不可欠である。ここでは,我々が提案した新しい熱物性値の同時推算法を用いて,様々な条件下において数種類の農畜水産物の熱物性値を同時に測定した。これらの結果を基に,実用に際し便利と考えられる形の農水産物の熱物性値予測モデルを構築した。また,農産物や水産物,小麦粉製品を試料とし,これら試料の各種の調理加熱および冷凍時における試料温度の経時変化を測定し,加熱・冷凍シミュレーションを試みた。さらに,加熱・冷凍に伴う試料のテクスチャーや色彩,体積の変化も併せて測定し,試料の品質に及ぼす加熱・冷凍方法や条件の影響を検討した。熱物性測定に用いたプローブの概略をFig.1に,熱物性測定装置の概略をFig.2に示した。

テーマⅡ  微生物熱量計による食品の菌数推定
  食品関連事業者の自主衛生管理において,食品中の菌数は把握すべきものの一つであるが,公定法に基づいた菌数測定には大量の平板培地調製等の費用,多大の労力や時間が伴うため,より簡便な手法の開発が望まれている。本研究は広範囲な固体食品および液体食品に適用可能な微生物熱量計を用いた一般生菌および大腸菌群の簡便な菌数推定法を確立することを目的とした。熱量計本体に設置された密栓バイアル中に数個の小円柱状寒天培地(Fig.3)を投入し,この寒天培地表面に食品乳剤を添加したものを恒温下で静置培養し熱量計の経時的な出力電圧を追跡した。用いる小円柱状寒天培地の性状は発熱の立ち上がりが早く発熱が大きくなるような条件を検討することで決定した。平板培養法によって求めた食品乳剤中の菌数と特定の出力電圧値に達するのに要する時間との間には高い負の相関性が認められたことから,本法は多くの食品の菌数推定に適用可能と考えられる。微生物熱量計の概略をFig.4に示した。

プローブの概略

Fig.1 プローブの概略


熱物性測定装置の概略

Fig.2 熱物性測定装置の概略

小円柱状寒天培地

Fig.3 小円柱状寒天培地

微生物熱量計の概略

Fig.4 微生物熱量計の概略