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研究概要

①光センシングによる食肉加工場における清浄度評価法の開発
②ブロッコリーの鮮度低下を予測する
③高酸素濃度環境によるバナナの追熟

研究機関名

東京大学 大学院農学生命科学研究科 生物・環境工学専攻 生物プロセス工学研究室

http://www.bpe.en.a.u-tokyo.ac.jp

代表者

大下 誠一

本研究の主旨

① 光センシングによる食肉加工場における清浄度評価法の開発 (Fig.1)
  光センシングで食肉の清浄度評価をリアルタイムで行う検査技術の開発を目指した。豚ロース肉を試料とし、15℃保存で、蛍光分光スペクトル、清浄度の指標となるATP量と一般生菌数を測定した。その結果、Fig.1(左)の回帰式(R2=0.90)が得られた。また、回帰係数はFig.1(右)に示すように、Ex 300 / Em 330 nm付近で符号が負、Ex 335 / Em 450 nm付近の符号は正のピークを示した。前者は微生物の増殖に伴って分解されたトリプトファンの蛍光強度の低下、後者は微生物の増殖に伴うNADPHの代謝量の増大であると解釈された。以上により、豚肉において蛍光指紋によるATP量の推定が可能であることが示された。
② ブロッコリーの鮮度低下を予測する (Fig.2)
  ハイパースペクトルカメラを用いた二次元分光イメージ解析により、ブロッコリー花蕾部のスペクトルから水分を非破壊で予測する手法を確立することを目的とした。反射スペクトルと水分の実測値との相関係数を調べ、相関係数が最大となった波長におけるスペクトルと水分をプロットし、直線近似したところ、高い相関を示した。このことより、特定の波長における分光反射スペクトルを利用して、水分が推定できることが示された。
③ 高酸素濃度環境によるバナナの追熟 (Fig.3)
  高酸素濃度環境がバナナの追熟に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。フィリピン産キャベンディッシュ種、緑熟バナナを供試材料とし、2日目以降の20.9%、40.0%のO2濃度のもとでそれぞれ3回、2回実験をした。呼吸速度は、いずれのO2濃度でも典型的なクライマクテリック型の呼吸特性を示したが、40.0%O2濃度下でも、20.9%O2と同様の値の推移となった。果皮の色相角は、いずれのO2濃度でも70前後の緑から50前後の黄色へ変化した。また40.0%O2濃度の方が、特に48hから96hにかけて色相角の変化が大きかった。したがって、高O2濃度環境がバナナの追熟の促進に寄与できる可能性が明らかとなった。

PLSR回帰分析によるATP量の推定結果

Fig.1 PLSR回帰分析によるATP量の推定結果


反射率比と水分の関係

Fig.2 反射率比と水分の関係
[R:反射率、下付数値:波長(㎚)]

色相角の経時変化

Fig.3 色相角の経時変化