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研究概要

食品マイクロカプセルの開発

研究機関名

東京大学大学院 新領域創成科学研究科 人間環境学専攻 鳥居研究室

http://www.dt.k.u-tokyo.ac.jp/

代表者

鳥居 徹

本研究の主旨

1.はじめに
現在サプリメントの経口剤は数多く存在するが、それらはサイズが大きい問題や臭いの問題があり飲みにくさが指摘されている。そこで本研究室では食品に使用できる油脂や食品添加物を用いてサプリメントとして応用できる食品マイクロカプセルを開発した。内油相に食用油を使用しているため、魚油やそれに含まれるDHA、EPAといった油系栄養素を内包したサプリメントに応用可能であると想定している。これまでは大きなカプセルであったDHAなどのサプリメントもマイクロカプセル化技術によって小型化することにより、非常に飲みやすくなると考えられる。このため嚥下力が発達していない幼児や衰退してしまった高齢者でさえも容易に摂取でき、また臭いによって若者たちに敬遠されがちであった問題も解決することができる。将来的には小型サイズや無臭であるメリットを活かし栄養ドリンクやドレッシングに混ぜて使用する用途があると考えている。

2.方法
マイクロチャンネルを用いてOil-in-Water-in-Oil(O/W/O)型ダブルエマルションを生成し、水相部をゲル化することでマイクロカプセルを作製した。内油相にはサラダ油、水相にはアルギン酸ナトリウム水溶液+MSW-7S 1[wt%]、外油相にはデカン+CRS-75 1[wt%]を使用した(MSW-7S、CRS-75は共に界面活性剤)。生成したダブルエマルションに塩化カルシウムアガロースゲルと接着させることによってアルギン酸ナトリウムをゲル化させ、そこでマイクロカプセル完成とした。

3.結果>
写真に示すようなマイクロカプセルが完成した。作製直後の直径は約190[㎛]、CV値は1.9[%]と非常に単分散性の高いマイクロカプセルが作製できた。しかし、その後塩化カルシウムに水分を吸収されていくため、直径は約150[㎛]まで縮小しCV値は5[%]前後に変化する。直径が約150[㎛]以下になると内油相の油脂が飛び出しマイクロカプセルが崩壊してしまうため、今後は塩化カルシウムによる水分の吸収を抑え、より長くマイクロカプセルとして保持できるように改良する必要がある。

4.まとめ
マイクロチャネルを用いて油脂や食品添加物によるマイクロカプセルを作製した。今後改良を加えることによって、食品マイクロカプセルの1つの製法として確立させたいと考えている。


作製したマイクロカプセル

Fig.1 作製したマイクロカプセル


実験系概念図

Fig.2 実験系概念図