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研究概要

電気インピーダンス法を用いる乾燥青果物の含水率モニタリング

研究機関名

筑波大学 システム情報系 知能機能工学域 音響システム研究室 バイオ・環境計測グループ

http://www.aclab.esys.tsukuba.ac.jp/

代表者

水谷 孝一

本研究の主旨

  青果物の乾燥は古くからある食品加工技術であり,現在でも広く一般的に行われている.青果物の乾燥の主な目的は,微生物汚染や化学反応を抑制できるレベルまで水分を除去し,保存期間を延長させることにある.しかし乾燥青果物の色彩や栄養成分量は乾燥の進行に伴い常に変化するため,含水率の変化をモニタリングし乾燥状態を把握することは高品質な乾燥青果物を製造する上で重要となる.本研究では,乾燥過程における青果物の含水率の計測法として,簡易的かつリアルタイムに物質内部の含水率を推定するため電気インピーダンス法の適用を試みた.電気インピーダンス法とは,測定対象に複数の異なる周波数の交流信号を印加することで電気インピーダンスを測定し,そのスペクトル解析を行うことで,対象の品質を推定する手法である.青果物のモデル組織としてジャガイモを選定し,その乾燥過程におけるインピーダンスを周波数100㎐~2㎒の範囲で測定した.その結果,インピーダンスの周波数軌跡はインピーダンスの実数部と虚数部の関係を示すNyquist線図上で円弧を描き,乾燥過程ではこの円弧が縮小する傾向が見られた.(Fig.1)また,植物組織の電気的等価回路であるHaydenモデルを一部修正した「修正モデル」を構築し,(Fig.2)得られたインピーダンススペクトルと照らし合わせることで,修正モデルの各等価回路素子の値を算出した.その結果,含水率約450~50% (dry basis)において修正モデルの回路素子の一つである細胞外液抵抗の変化と含水率の間に高い相関が見られた(Fig.3)ことから,本手法は青果物の含水率計測法として応用できる可能性が示された.

乾燥過程におけるジャガイモ切片のインピーダンスの周波数軌跡

Fig.1 乾燥過程におけるジャガイモ切片のインピーダンスの周波数軌跡


電気的等価回路

Fig.2 電気的等価回路

含水率とReの関係

Fig.3 含水率とReの関係