出展のご案内

研究概要

スペクトロスコピィによる品質評価・検査システム

研究機関名

SPECTRAプロジェクト(神戸大学・岐阜大学)

http://www2.kobe-u.ac.jp/~toyoda/

代表者

豊田 淨彦

本研究の主旨

①パン生地の発酵過程における炭酸ガスとエタノールの生成は,パン製品の食感とフレーバーに影響を及ぼす重要な因子であり,グルコース,フルクトース,マルトース等の低分子の糖類を基質とした酵母の反応に因るものである.また,糖類は生地に添加されたスクロースや小麦デンプンから酵素により生成される.したがって,発酵中の生地の糖含有量とその種類から,パン生地の酵母や酵素の反応の進行を検出できる.そこで,ファイバープローブを用いたFTIR(フーリエ変換赤外分光)による糖消長モニタリング法の開発を試みた.パン生地中の糖類の含有量を非破壊測定するため,糖の指紋領域の1050㎝-1付近の中赤外スペクトルに着目し,糖含有量を推定するPLS回帰モデルをパン生地発酵実験より求めた.得られたモデルは,Fig.1中の発酵開始後のスクロースの急激な減少,グルコースの増加および60分辺りでのピークとその後の減少,グルコースに比べて緩やかで遅れたフルクトースの増加および120分近辺でのピークとその後の減少という挙動を精度よく表現し,その有用性が確認できた.
②食品を容器に無菌充填する際,充填機の運転状態によっては容器のシール面に細孔が発生すがある.流通中,この細孔経由で内容物が細菌などに汚染される場合もあるため,充填直後の細孔チェックが望まれている.充填直後の細孔チェックのために,容器を物理的に押したり真空室に入れたりした時の容器の変形量や内容物の漏れから孔の有無を検出する方法など種々の手法が提案されてきた.発表者らは,充填工場での全量検査を念頭に,加振法により容器全体の共振周波数を測定することで細孔の有無を迅速に検出する手法の開発を行ってきた(Fig. 2参照).加振前後の共振周波数差を用いた孔検出法を開発し,細孔検出実験を行ったところ,正解率が84%以上の結果を得た.

パン生地発酵過程の糖含有量変化

Fig.1 パン生地発酵過程の糖含有量変化(測定値と計算値の比較)

加振操作による開孔パックの共振ピークの変動

Fig.2 加振操作による開孔パックの共振ピークの変動