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研究概要

えん下困難者用食品試験法で試験している食品の物性は何か?
― 認可のための試験法と物理学理論の接点 ―

研究機関名

県立広島大学・生命環境学部・生命科学科・食品化学

http://www.pu-hiroshima.ac.jp/files/e38e.pdf

代表者

佐藤 之紀

本研究の主旨

  えん下困難者用食品試験法で定められている食品の力学物性は,センサーが連結している円筒型プランジャー (PL) で食品を上部から押し,そこにかかる力を解析するpuncture test (PT) を用いており,この方法はベビーフード指針として規定されていた方法とよく似ている。この食品試験法ではセンサーにかかった最大の力Ftを単純に食品と接触するPLの底面積で除した値をパラメータとして議論している。しかし,ベビーフードとえん下困難者用食品の双方の食品とも,咀嚼,嚥下,会話などの口腔機能が低い状態での摂取となるので,食品の形状は液状もしくは液状に近い状態である場合も多いため,円筒センサー側面に接する力の寄与を無視できない。認可のためのパラメータは,単にFtとして表示しても換算可能であり,あくまでもみかけの応力であって,咀嚼状態をシミュレーションしているとは言いがたい。一方,この試験法は,咀嚼ではなく嚥下の動作を基礎に置いていると解釈すると,力学物性測定のセンサーの動きと不一致も生じてきてしまう。このように,液状食品の力学物性をえん下困難者用食品試験法で調べる際には,種々の問題点が残されており,制度改正で新しく提示された試験法でも種々の要因が絡み合っている。たとえば,PLで食品を圧していくと,PLの高さがPLで圧す距離よりも短く規定されているため,圧している途中で食品試料がセンサー円筒上部に回り込むなどして力学物性パラメータの解釈に複雑性を増している。そこで,PLの高さを長くするなどの工夫により,えん下困難者用食品試験法で求められるパラメータの物理学的意義を明確にしようと試みた。

えん下困難者用食品試験法の変法

Fig.1 えん下困難者用食品試験法の変法