出展のご案内

研究概要

非加熱殺菌への挑戦 ~高電圧パルス電界(PEF)・プラズマ~

研究機関名

群馬大学・大学院工学研究科・環境プロセス工学専攻・大嶋-谷野研究室

http://satolab.bce.gunma-u.ac.jp/top.html

代表者

大嶋 孝之

本研究の主旨

  非加熱殺菌技術として当研究室で研究している高電圧パルス電界(PEF)殺菌のメカニズムの紹介と研究例、そして高電圧パルス電圧を用いた水中放電プラズマによる微生物殺菌について紹介する。
【PEF殺菌】
  PEF殺菌は微生物が含まれる溶液に高電圧パルス電界を印加することで、微生物細胞膜を破壊し殺菌する技術である。静電場に置かれた細胞膜はコンデンサーとみなすことができ、電圧を印加すると誘電荷電が互いに引き合い膜が圧縮され、臨界膜厚を超えると破壊が起こる。この模式図をFig.1に示す。パルス殺菌はタンパク質の変性を主な要因とする加熱殺菌とはまったく異なるメカニズムで殺菌できる技術で、常温で、新鮮さを保ちつつ殺菌処理が可能である。
【織物電極を用いたPEF殺菌】
  縦糸はポリエステル糸、横糸は金属ワイヤーを織り込むことで作製した織物電極の概略図と拡大写真をFig.2に示す。ワイヤー近傍で電界集中ならびに不均一電場を形成させることで、従来の平板電極をも位置いた場合に比べ高い殺菌効果が得られることが明らかとなった。
【水中放電プラズマ】
  水中での放電プラズマ発生技術は水系に含まれる有機物の分解、ならびに微生物の殺菌を可能とする新たな技術の一つとして多岐に渡る分野から注目されている。水中で容易に安定した放電プラズマを発生させるための手法の一つとして、放電発生プラズマ発生のトリガーとなるバブルを水中へ積極的に混合しマクロな意味での水中で放電を発生させる手法が検討されている。
【投げ込み式電極を用いた殺菌】
  近年、我々は水中での放電プラズマの連続発生、発生装置の連続運転・メンテナンスの簡易化などを目的とした放電発生装置の簡略化を行っている。その一例として開発した投げ込み式放電ユニットの概略図と写真をFig.3に示す。本ユニットを用いた水中放電プラズマにより菌体濃度107、容量2 Lの大腸菌溶液では120秒で4桁、枯草菌芽胞溶液では40秒で2桁の殺菌率が達成できた。
アカデミックプラザではこれらの技術・応用例の詳細について紹介する。

PEFによる細胞膜破壊のイメージ

Fig.1 PEFによる細胞膜破壊のイメージ

織物電極の概略図(左)と拡大写真(右)

Fig.2 織物電極の概略図(左)と拡大写真(右)

投げ込み式放電ユニットの概略図(A)と水中にセットした写真(B)

Fig.3 投げ込み式放電ユニットの概略図(A)と水中にセットした写真(B)