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研究概要

芋焼酎製造工程における危害とその影響 -食中毒菌の混入による焼酎品質の変化-

研究機関名

鹿児島大学 農学部 生物環境学科・食料環境システム研究室

代表者

紙谷 喜則

本研究の主旨

  鹿児島県では芋焼酎の製造が盛んであり、2004年には25万KLを記録した。近年では6年連続で減少しているものの、2010年でも17万KLが生産されその生産量は、全国の90%ほどに相当する鹿児島県の主要産業の一つである。6年連続で生産量が減少している理由の一つとして、2008年9月に発覚した「事故米の不正転売事件」の影響からの回復が見られないことが指摘されている。焼酎の製造は従業員10名以下の蔵元が多く衛生管理、品質管理を従前とした杜氏による感覚的・経験的な管理を行っていることが多く、未経験な危害の混入により回収、廃棄を余儀なくされ多大な損失を受けたと思われる。
  一方、食品加工業においては、食品の製造工程・衛生管理にISO9001、22000・HACCPを導入するなど、食品に混入する危害の特定とその影響を分析し、製造工程を明確化することで「安全・安心」な食品を消費者に提供する取り組みが行われ、未知の危害についてもその影響を推定し事故の発生、回収、廃棄による損失を予防している。

  本研究では、焼酎製造工程におけるHACCPの導入の必要性を検討するにあたり、人が持ち込む可能性のある常在菌を危害とするべきなのか検討を行った。危害の範囲を品質低下まで広げることで、発酵中の想定外微生物の混入により焼酎製造に与える影響について検証した。その結果、意図的に常在菌である大腸菌を混入した区と対照区(未混入)の発酵工程、製品品質(味、香味)に変化は現れなかった。本方法は、他の食品加工業にも役立つ方法であり、今後、食品業界が行わなければいけない食品加工業者の安心の為に確認しておかなければいけないデータであると思われる。