研究概要

蒲鉾製造ロスの再利用を目的とした循環型食品加工技術の開発

研究機関名

1 酪農学園大学 肉製品製造学研究室、2 (独)水研センター 中央水産研究所、
3 富山県農林水産総合技術センター 食品研究所

1 http://www.rakuno.ac.jp/

2 http://nrifs.fra.affrc.go.jp/

3 http://www.pref.toyama.jp/branches/1661/shokuhin/

(株)梅かま http://www.umekama.co.jp/

代表者

1 舩津保浩、2 里見正隆、3* 小善圭一、3 原田恭行

本研究の要旨

1.研究の背景
  近年、地球温暖化の問題から世界各国で温室効果ガスの削減の目標が掲げられている。温室効果ガスには工場や車両だけでなく、食品ロスの廃棄による排気ガスも関与している。一方、日本は練り製品を最も多く消費する国である。技術革新に伴い渦巻き蒲鉾等の機械による大量生産が可能となった。しかし、成型・加熱の製造工程で規格外品(蒲鉾ロス)が発生する問題が生じている(Fig.1)。
2.ロスの現状
  ロスは成分、物性、サイズ、風味が製品の種類により異なるため、同一製品への再利用は極めて困難であり、再利用ができず有料で餌肥料化や廃棄物処理業者に委託している。
3.研究の目的
  環境負荷の軽減と循環型資源形成を目指してロスを発酵により調味料に変え、得られた調味料を蒲鉾に再利用する循環型食品加工技術(発酵―再利用技術)を確立する。
4.研究の特徴
  ロスを食塩、麹および好塩性乳酸菌と共に常温で自然発酵させ、液化率の高いもろみを得る。このもろみを絞り、火入れ、濾過後に得られた製品は、異臭が無く、食品添加物の残存量(ソルビン酸、β-カロテンおよび重合リン酸塩等)が希少で、しかもヒスタミンの生成・蓄積量の少ない安全・安心な点に特徴がある。電気代も希少な環境にやさしい方法で、従来のうま味調味料を使用する場合よりも製造コストの削減にもなる。地域の嗜好性に応じて発酵調味料の添加量の調節が可能である。
4.製品の品質
  発酵調味料の品質を調査したところ、規格外品と魚肉を混合した製品は規格外品のみの製品に比べ、酸性雑味や酸性苦味雑味が少ない(Fig.2)。蒲鉾への添加試験(嗜好性試験、添加量: 1.4%)でもうまみ調味料を使用した従来の蒲鉾(対照)と比べ、受容性の面でも有意な違いは認めらなかった(Fig.3)。
5.食品産業への利用
  研究協力者である(株)梅かまでは月別蒲鉾生産量の約3%のロスが発生しているが、その6割である約1.8%を再利用することが可能となった(自社による平成22年7-9月の平均再生量の調査結果)。本技術は比較的低コストで導入可能であることから、様々な練り製品の規格外品(製造ロス)や販売ロスの再利用に幅広く応用可能である。

蒲鉾ロス

Fig.1 蒲鉾ロス  (A):蒸し蒲鉾、(B):渦巻き蒲鉾

発酵調味料の味覚分析

Fig.2 発酵調味料の味覚分析

蒲鉾の嗜好性試験

Fig.3 蒲鉾の嗜好性試験



* 現所属:富山県農林水産部水産漁港課

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