研究概要

食品廃棄を考慮した凍結食品の環境影響評価

研究機関名

東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科 食品冷凍学研究室

http://www2.kaiyodai.ac.jp/~mwat/

代表者

鈴木 徹

本研究の要旨

  現在、日本の食品ロスは年間約500万~900万トンと推計され、これは食用向け農林水産物の約5~10%、食品由来の廃棄物の約30%~50%を占めると言われている。これは、食資源の浪費のみならず、生産、輸送等に使用したエネルギーまでも無駄に浪費されていることになる。
  この問題を解決する一つの手段として冷凍が挙げられる。従来、凍結食品はエネルギー多消費型の保存技術で、チルド保存に比べて環境負荷が大きいと考えられていたが、その反面、シェルフライフが長いという長所をもつ。シェルフライフを延長させると食品ロスが減少し、環境負荷も減少する可能性がある。つまり、チルド流通を冷凍流通に変えることによって、LC-CO2 (Life Cycle CO2)を低減させられる可能性がある。
  以上を踏まえて本研究では、チルド流通を冷凍流通に変えることの効果を、チルドハンバーグと冷凍ハンバーグを対象に環境負荷(LC-CO2)を計算し、比較・検証した。本研究の最大の特徴は、現在、単位生産量製品当たりで計算されることの多いLC-CO2を、ロス分を差し引いた単位消費量当たりで計算した点である。
  計算のシステム境界は、製造工程から消費-包装廃棄までとし、製造工程と販売工程でのロス分の輸送-廃棄工程も含めた。フォアグラウンドデータは、できる限りヒアリング、冷蔵ショーケースのカタログなどから収集したが、ハンバーグの製造工程は2次資料を参考にした。また、販売工程では在庫数量が必要となるため、放射性物質の半減期の式を用いてモデル化した。
  計算結果は、まず従来通りの単位生産量当たり排出量の結果をFig.1に示す。これより、やはり単位生産量当たりでは、冷凍の方が環境負荷が大きいことがわかる。次に、単位消費量当たりの排出量の結果をFig.2に示す。これより、チルド流通でのロス率が15%以上になれば、冷凍流通の方が環境負荷が小さくなることが判った。これより、冷凍を利用してロス率を低減させることにより、環境影響を小さくし得ることが示唆された。

単位生産量当たりの環境負荷

Fig.1 単位生産量当たりの環境負荷

単位消費量当たりの環境負荷

Fig.2 単位消費量当たりの環境負荷



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