研究概要

メタン発酵残渣処理に関する研究
- 近赤外分光法を用いたCOD、NH4-Nの連続測定 -

研究機関名

鹿児島大学大学院生物環境学専攻食料環境システム学研究室

代表者

紙谷喜則

本研究の要旨

  日本有数の畜産県である鹿児島県では、家畜排せつ物による水質汚染が問題となっている。メタン発酵は有機物を分解してメタンガスと炭酸ガスに分解することで、廃液の化学的酸素要求量(COD)や生物学的酸素要求量(BOD)を低減させる効果があるため、それらの処理法として近年注目が高まっている。しかし、メタン発酵によりCOD、BODなどの分解は設備的な問題により限界があり、未分解の廃液が残る(残渣)。残渣にはリン、カリウム、チッソなど植物に必要な元素が含まれているが、その利用は限られている。そのため残渣は、地下水などで希釈してCODやNH4-Nを排水基準値内に調整したのちに、排水しているのが現状である。本研究では、簡素でかつ測定後に化学薬品の廃棄処理を必要としない方法で測定する手法を確立することを目的として、近赤外分光法から得られるスペクトルを解析することで廃水水質の指標としてCODとNH4-Nの迅速測定方法について検討した。メタン発酵残渣のCOD推定においては、Fig.1の手順に従い、COD、NH4-Nの指標として単一物質により調整した区、これらを混合させた区による推定を行った。また、実際のメタン発酵残渣を用いて化学的測定を行いCODが158ppmの処理水15gを25個、処理水:メタン発酵残渣=160:1の溶液15gを25個、処理水:豚尿=150:1の溶液15gを25個作成した。豚尿に汚染された水のNH4-N推定においては、混合後のNH4-Nが約50~200ppmとなるように、精製水に豚尿を混合した溶液25gを50試料作成した。その結果タンパク質系と炭水化物系物質から生じるCODと高い相関にある8波長は、メタン発酵残渣処理水のCODとも高い相関(相関係数0.951)にあることが示された。採用8波長は1965、1800、1697、1680、1670、1667、1561nmおよび1462nmである。この8波長を用いてメタン発酵残渣処理水から生じるCODが47~235ppmの範囲で±10.8ppmの精度で推定された。試薬(尿素)から生じるNH4-Nと高い相関にある8波長は、豚尿によって汚染された水のNH4-Nとも高い相関(相関係数0.895)にあることが示された。採用8波長は2148、2431、1773、1145、1055、1050nmおよび1040nmである。この8波長を用いて豚尿によって汚染された水のNH4-N 濃度が45~224ppmの範囲で±22.2ppmの精度で推定されたことより、NIRSを用いて排水を連続的にモニターし、排水基準内濃度に希釈することは、可能であると結論した。

定量分析のデータ処理の流れ

Fig.1 定量分析のデータ処理の流れ



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