研究概要

食品乾燥工程の微生物増殖とその抑制技術(乾燥空気湿度と食品水分種分布制御)

研究機関名

北海道立工業技術センター 研究開発部 プロジェクト推進科

代表者

小西靖之

本研究の要旨

  農畜水産物の乾燥では、殺菌操作などを行わない生の材料を直接乾燥する場合があり、そのような場合では乾燥工程中に一般細菌等が増加するなどの不具合があり、細菌増殖を抑制した高品質な乾燥製品を製造出来る乾燥操作技術が求められています。
  通風乾燥装置を用いて乾燥操作を行う場合、制御因子は乾燥用空気温度、湿度及び風速であり、それらの設定条件により乾燥製品の品質は強く影響を受けます。これらの操作因子をどの様に制御するかが大切となります。
  我々のこれまでの研究で、(1)イカ乾燥操作において、その乾量基準含水率(W)によってW >120%-d.b.(領域I)とW <120%-d.b.(領域II)とでは水分の拡散係数De、拡散の活性化エネルギーED、昇温脱離プロファイルピーク温度TPに著しい違いを与えることから、異なる2つの水分種A1, A2から構成されていること、(2)それぞれA1De = 1.8×10-6m2/h, ED = 17kJ/mol, TP = 110°Cを, A2De = 0.1〜1.7×10-6m2/h, ED = 25〜35kJ/mol, TP = 117〜150°Cを与える、などを明らかにしました。(Fig.1参照)
  本研究ではイカの通風乾燥工程中の一般細菌数抑制技術開発のために、水分種A1,A2を制御することで細菌増殖を制御できないか検討しました。この時、乾燥空気相対湿度を一つの制御パラメータとして用いました。(Fig.2参照)
  素の結果、乾燥工程中の細菌数増殖挙動に対するイカの水分種-A1、-A2及び乾燥空気の相対湿度(RH)の影響を定量的に評価し、以下のことを明らかにしました。

  1. 水分種-A1(領域I)は一般細菌数を増殖させるが、水分種-A2(領域II)は一般細菌増殖に寄与しない。(Fig.3参照)
  2. 乾燥工程中の一般細菌増殖は、乾燥空気相対湿度により制御できる。一般細菌数は高湿度条件(RH=85%)では急激に増加するが、低湿度条件(RH=65%以下)では、抑制できる。(Fig.3参照)
  3. 菌体増殖係数(m)は、RH=65%以下では一定値を与えるが、RH=65%以上ではRHの増加に伴いm値も増加する。菌体の倍加時間(G)は、RH=65%以下では高い値で一定値を与えるが、RH=65%以上ではRHの増加に伴いG値は減少する。従ってRH=65%以下に制御することにより、細菌増殖速度を低下できる。

イカ乾燥工程中の水分種分離とそれらの特性

Fig.1 イカ乾燥工程中の水分種分離とそれらの特性

食品通風乾燥工程における湿度制御の意味論

Fig.2 食品通風乾燥工程における湿度制御の意味論

操作湿度による水分種分布制御による細菌増殖抑制効果

Fig.3 操作湿度による水分種分布制御による細菌増殖抑制効果



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