研究概要

微弱光を利用した品質計測技術

研究機関名

(独)農研機構 食品総合研究所 食品工学研究領域 反応分離工学ユニット
宇都宮大学 農学部 農業環境工学科 生物環境調節学研究室

http://www.nfri.affrc.go.jp

http://env.mine.utsunomiya-u.ac.jp/lab/seibutsu

代表者

萩原昌司
齋藤高弘

本研究の要旨

  食品から発生する「微弱な光」を利用した新しい品質評価手法の開発を目的に、自発極微弱発光現象や化学発光、光ルミネッセンスを利用した品質評価の可能性を検討した。
  食品から自発的に生じる極微弱発光現象は食品の品質変化と密接に関係しており、油脂が酸化すると非常に弱い光(極微弱発光)が生じることはよく知られている。また、発光試薬を利用する化学発光法は、発光強度が大きくなり活性酸素種や抗酸化性成分などの特定成分を高感度で計測可能となる。さらに、光励起による光ルミネッセンス(Photostimulated luminescence, PSL)は、食品の食品照射の検出方法のひとつである。これらの微弱発光計測技術を利用する食品品質評価の研究事例を紹介する。

  1.  自発極微弱発光計測
  2.   自発極微弱発光計測では高感度な光計測装置により、精米、ポテトチップス、ゴマ油の品質計測の可能性を検討した。精米は未熟粒からの発光が多く、脂肪酸度と相関が認められた。ポテトチップでは製造後一ヶ月以内の初期の品質変化を検出できることが明らかになった(Fig.1)。焙煎ゴマ油では、抗酸化性成分のセサモールなどが発光に関与することが明らかになった。

  3.  化学発光計測
  4.   化学発光を利用した清酒の品質評価では清酒の次亜塩素酸ナトリウム添加発光(NaClO発光)量は、貯蔵日数の増加に伴い発光強度は大きくなった(Fig.2)。また、3-デオキシグルコソン(3-DG)法の化学分析値と相関があり、NaClO発光が清酒の熟度指標として最適と考えられた。また、試料を薄切片化して化学発光計測することで、再現性良く機能性成分の分布を可視化する手法を開発した。本手法により、普通ソバとダッタンソバでは、活性酸素消去に関わる抗酸化性物質が偏在することや、種類が異なること等が示唆された。

  5.  光ルミネッセンス(PSL)による照射食品の検知
  6.   自発極微弱発光装置に光励起部と励起光カットフィルターを追加した光ルミネッセンス(PSL)装置を試作し、香辛料への食品照射履歴を1~2分と非常に短時間で判別する新しい判別方法を見いだした(Fig.3)。

  今後は、自発極微弱発光や化学発光、光ルミネッセンスが、流通過程で簡易な品質計測技術として利用され、食品の信頼性確保に貢献することを期待する。

貯蔵条件の違いがポテトチップの発光現象に及ぼす影響

Fig.1 貯蔵条件の違いがポテトチップの発光現象に及ぼす影響(積算時間30min,at 25℃)
1週間保管:製造直後7日、1ヶ月保管:製造後29日、劣化促進:透明フィルム包装、ガス置換なし、製造後26日

清酒の貯蔵時間がNaCIO発光に及ぼす影響

Fig.2 清酒の貯蔵時間がNaCIO発光に及ぼす影響

PSLによる照射食品計測結果(バジル)

Fig.3 PSLによる照射食品計測結果(バジル)



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