レオロジー物体のシミュレーションと力学パラメータの同定
研究機関名
立命館大学 理工学部 ロボティクス学科 集積機械知能研究室
http://www.ritsumei.ac.jp/se/~hirai/
代表者
平井 慎一 教授
本研究の要旨
現在,食品工学における食品素材や生体組織などの様々な特性を有する物体のモデリングが必要とされている.粘弾性物体や塑性物体に関してはモデリングがすでに確立されている.しかし,Fig.1に示すような,戻り変位と残留変位を有するパン生地などの食品や生体組織など,レオロジー的変形特性が残る物質のモデリングの手法は確立されていない.したがって,これらのモデリングが必要となってくる.レオロジー物体のモデリングの手法が確立されていない理由として,多様な変形特性を持つことが挙げられる.これらのモデリングには,適切なモデルの設定と力学パラメータの同定が必要となる.
レオロジー物体は,Fig.2に示す三要素モデルの集合として表すことができる.三要素モデルは,粘弾性フォークト部に直列ダンパーを配列したものである.このモデルでは,弾性要素kと粘性要素bが戻り変形を表し,粘性要素b'が残留変形を表す.Fig.3は,ピザ生地を回転するローラーにより成形しているシミュレーションである.ピザ生地の成形過程では,後方が膨らむ現象が確認できる.三要素モデルを用いたシミュレーションにより,この現象が表現できている.このように,仮想レオロジー物体を適応することにより,生地や粘土の変形過程,食品の嚥下過程などを動的にシミュレーションすることができる.

Fig.1 粘性物体,レオロジー物体,塑性物体

Fig.2 三要素モデル

Fig.3 ピザ生地の成形シミュレーション

