食品のマルチバンド光センシング
研究機関名
三重大学 大学院生物資源学研究科 資源循環学専攻
生物情報工学研究室 食・環境・文化情報学研究室
代表者
生物情報工学研究室 代表者:橋本 篤
食・環境・文化情報学研究室 代表者:亀岡 孝治
本研究の要旨
食の安全・安心が脅かされている昨今、食品原材料から加工食品、ひいてはその流通過程に至る品質変化を客観的に評価できるシステムの構築が切望されている。このようなシステムにおいては、食品の品質や味を迅速かつ非破壊で評価し、そのデータと情報技術との親和性が求められる。これらの条件を満たす方法の一つとして、光センシング手法があげられる。われわれは、X線からテラヘルツにわたる広範囲の光センシング手法を駆使し、農産物・食品の品質評価に関わるマルチバンド光センシング手法の開発とその情報化、およびその情報利用に関する研究を進めている。今回は、食品あるいは食品モデルに関するマルチバンド光センシングに焦点を当て、以下の研究事例の概略を紹介する。
- ディジタルカメラを用いた色彩情報計測による高カロテンニンジンの簡易選別(図1)
- 形状・色彩情報から作成したカラーチャートによるぶどう果実の熟度診断
- 栽培履歴・栽培環境情報とリンクした農作物の色彩情報モニタリング
- 蛍光X線分光法によるトマトおよびイネ樹体の栄養状態把握
- 糖-塩水溶液(食品モデル)中の糖の赤外分光特性把握
- 赤外分光法によるイオン解離性代謝物質の計測
- 赤外スペクトル情報を基にした嗜好飲料の銘柄識別と味覚関連物質の情報抽出(図2)
- 味見ロボット・ソムリエロボットの開発
われわれは、マルチバンド光センシングデータを利用した食の安全・安心システムの実現に向けた活動も行っている。食の生産から消費にいたるそれぞれの段階で、マルチ・センサネットワークならびに農業情報マルチメディアデータマイニングシステムの開発、およびセンシングのデータベースとモデルベースを協調させた先端的情報システムの取組みについて簡単に報告する。

図1 色彩解析に供したニンジン画像

図2 産地、焙煎度が異なるコーヒー抽出液の赤外吸収スペクトル







