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  • 東京大学大学院農学生命科学研究科(1)

ケア食品の品質設計手法の開発
~ケア食品素材の粘弾性計測法の標準化~

研究機関名

東京大学大学院 農学生命科学研究科 農学国際専攻 国際情報農学研究室

http://www.iai.ga.a.u-tokyo.ac.jp

代表者

荒木徹也

本研究の要旨

高齢者用食品は、厚生労働省が定める特別用途食品の一つであり、そしゃく困難者用食品とそしゃく・えん下困難者用食品に分類される。しかし、そしゃく困難者やそしゃく・えん下困難者は必ずしも高齢者であるとは限らないため、本研究では厚生労働省が定めるところの高齢者用食品を「ケア食品」と呼称する。
 一方、特別用途食品制度のあり方に関する検討会報告書(2008)は、ケア食品の対象範囲の見直しを提言している。同報告書はケア食品の許可基準として「硬さ」「付着性」「凝集性」の3項目をあげており、またその試験方法と基準値を明示している。しかしながら、ケア食品の物理化学的属性を上記3項目のみで十分に理解可能であるとは言い難い。そこで、本研究ではケア食品素材としての利用が期待される典型的な材料として寒天、ゼラチンおよびコンニャクを選び、これらの粘弾性計測法の標準化を試みるとともに、ケア食品の品質設計手法の開発を目指すこととした。
寒天、ゼラチンをクリープ試験に供試した結果、瞬間弾性の割合が大きいことがわかった。また、テクスチャ試験に供試した結果、両者とも付着性は見られず、凝集性には濃度依存性が見られなかった。
膨潤時間、温度をパラメータとしたコンニャクゾルを動的粘弾性測定に供試したところ、Fig. 1に示すようにゾルの貯蔵・損失弾性率はともに膨潤時間経過に伴い増大して平衡に達した。また、Fig. 2に示すように混合温度が高いほどその平衡到達時間は短くなることが分かった。また攪拌速度および膨潤時間を変化させて作成したゲルをクリープ供試した結果、濃度が全ての係数に、また膨潤時間が永久変形を表す粘性係数に有意に影響することが確認された。テクスチャ試験に供試した結果、付着性はみられず、凝集性は濃度依存性を示し、膨潤時間による影響もみられた。
本研究の成果は、ケア食の品質設計および製造法に有用であると考えられる。


混合温度50℃ゾルの動的粘弾性の経時変化

Fig.1 混合温度50℃ゾルの動的粘弾性の経時変化

G'の変化速度の経時変化

Fig.2 G'の変化速度の経時変化

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