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  • 石川県立大学生物資源環境学部

北陸地域農水食品産業における未利用資源の有効利用

研究機関名

石川県立大学・生物資源環境学部・食品科学科 食品基礎系・食品製造系

http://www.pref.ishikawa.jp/ishikawa-pu/

代表者

宮脇長人、後藤秀幸、久田 孝、海老原充

本研究の要旨

環境に優しい地域農水食品産業の発展に資するため、北陸地域農水食品産業における未利用資源を有効活用を目的として、(1)北陸地域食品に関するアンケ-ト調査、(2)能登半島打ち上げ海藻の有効利用、(3)カモによる食害小坂レンコンの有効利用、(4)麩原料(小麦グルテン)製造排液のバイオエタノ-ル化、の4つのテ-マについて研究を行い、それぞれ、以下の結論を得た。

(1)
北陸地域食品は伝統食品、加賀屋野菜等を利用した地域素材食品、などに特徴があること、しかしながら、これらの食品の製法は伝統製法と比較して、消費者の嗜好性、原料変化、法的規制、環境対策などによりかなり変化していることがわかった。

(2)
能登半島沿岸では様々な海藻が繁茂し、一部は浜に打ち上げられる(図1)。これらのうち量が多いものはカジメ類(ツルアラメ、クロメ)、およびホンダワラ類(ヤナギモク(図2)、ノコギリモク、ヨレモク)であった。これらにつき、塩濃度、K/Naモル比、相対粘度、高分子多糖類含量、ポリフェノール含量、DPPHラジカル捕捉能、鉄還元能、スーパーオキシドアニオンラジカル捕捉能などを測定した。打ち上げ海藻は、カリウムが多く、土壌保水性改善のため、肥料としての利用の他、成分の食品素材としての有効利用についても可能性がある。

(3)
石川県河北潟で栽培される小坂レンコン(加賀レンコン)は、「ブランド野菜」の一つで、その独特の食感や粘りなどから全国に名を知られているが、カモなどによる食害被害は深刻で、多くのレンコンが放置・廃棄され、その有効利用をはかる必要がある。小坂レンコンはリン酸化デンプンを含んでおり、このリン酸化デンプンを産生するためのキ-酵素であるデンプンリン酸化酵素の遺伝子解析を試みた。材料は、レンコンの葉と根から抽出したDNAを用い、PCRに用いたプライマーは、シロイヌナズナおよびジャガイモの遺伝子配列をもとにデザインした。その結果、リン酸酸化酵素遺伝子の一部を決定することができた。

(4)
加賀麩は全国的にも知られる石川県特産品の1つである。この原料は、小麦グルテンであり、その製造法は図3に示すように、小麦粉からの水抽出によっているが、プロセスの大部分は、その後の小麦デンプン回収にあてられており、そのために大きな設備投資と労働力投入がなされている。そこで、このデンプン回収プロセスをバイオエタノ-ル生産に置換することの可能性について検討した。グルテン回収後の乳液(炭水化物8.1%、水分91.5%、その他0.4%)を遠心分離してデンプンを濃縮ののち、80℃で糊化、α-アミラ-ゼ(アマノAD1)で液化(75℃)、グルコアミラ-ゼ(アマノAF6)で糖化(50℃)後、日本酒酵母(Saccharomyces cerevisiae; 協会1号および701号)による発酵を行った。その工程毎の成分変化を測定した結果を表1に示す。デンプンが90%以上の収率で糖化し、さらにこれは発酵によって、70~80%の収率でエタノ-ルに容易に転換できることがわかった。


輪島・珠洲地区における打ち上げ海藻

図1 輪島・珠洲地区における打ち上げ海藻

ヤナギモク

図2 ヤナギモク

小麦グルテン製造プロセス

図3 小麦グルテン製造プロセス

小麦グルテン製造排液(乳液)のバイオエタノ-ル化

表1 小麦グルテン製造排液(乳液)のバイオエタノ-ル化

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